高齢者地域見守り事業

2013年10月より、恵那市笠置町において人感センサーを利用した見守り支援の実証実験が開始されます。株式会社むすびは、恵那市笠置町の方々の取り組みをシステム導入の面でサポートしています。このシステムは、①情報通信という技術的なシステムの構築と②コミュニティ活性化という社会システムの形成というふたつから成り立っています。

近年、全国各地で過疎高齢化によって地域間のつながりや人間関係が希薄となり、地域における互助意識が薄れ、助け合うことが難しくなってきているといわれています。高齢者の孤独死は、その顕著な例です。この孤独死の問題は、一般的には都市部の問題と思われていますが、今日では過疎地域においても切実な問題となっています。

実は、高齢化や一人暮らし高齢者の増加、孤独死は以前から問題になっていました。そして、国や多くの自治体、民間企業が孤独死を防ぐための仕組みを作るための取り組みを行ってきました。しかし、その多くは成功には至りませんでした。なぜでしょうか。

ここには大きく分けて3つの理由があると考えられます。第一は、情報インフラ面での理由です。かつて見守りにIT技術を使う場合、非常に高くつき、コスト的に見合わない状態でした。しかし今日、情報インフラはITからICTへと進化しました。光ネットワークの普及、携帯電話、データ通信と今までにない充実した通信インフラ基盤が構築され、最新のICT(情報通信技術)を活用することが出来るようになり、「新世代の複合センサーによる”見守りシステム”」が、利用出来る環境になっています。そして、通信費が驚くほど安くなりました。

第二は、見守りの仕組みや地域の活性化を支える担い手の増大です。数年前から団塊の世代が定年を迎え、地域に戻りつつあります。この地域に戻った団塊の世代が自分たちが暮らす地域で様々な取り組みを始めています。

そして第三に、これまでの高齢者福祉は、高齢者をケアの対象としか見ていませんでした。介護保険の制度は、介護が必要な高齢者をサポートしますが、「今は介護の必要がない」高齢者をケアするという「介護予防」については、十分に手が回らずに来ました。  今日、ICTをうまく活用することにより、かつては困難だった地域の人々が地域の人を見守っていけるシステムづくり、それを運用できる組織づくりが可能になりつつあります。

このような時代背景もあり、恵那市笠置町において、15件を対象とした見守り支援の実証実験が始まりました。これがうまくいけば、高齢化や介護負担の増大に直面した日本全国の多くの地域に参考となる事例を提供することができます。

私たちは、住民の社会的孤立化を防ぎ孤独死をなくす、「互いに助け合い、支え合うまち」地域コミュニティによる「共助」の仕組みの構築を目指しています。

地域見守り事業の考え方

超高齢化社会の到来


今日、日本は超高齢化社会になりつつあります。1950年には、65歳以上人口は416万人、全人口の5%にすぎませんでした。しかし、2010年には65歳以上人口は2925万人、23%が高齢者となっています。人口推計によると、50年後の2060年には、総人口は8700万人ほどにまで減少しますが、65歳以上の高齢者人口はさらに増えて3464万人、人口の約4割が高齢者という社会が到来します。

高齢化のグラフ
高齢人口と高齢化率の推移(厚生労働省「平成25年版高齢社会白書」より)


さらに、単に65歳以上の人口が増えるだけではなく、ひとり暮らしの高齢者数が増えているのが大きな特徴です。1980年のひとり暮らし単身世帯数は881万人だったのが、2010年には4791万人と5倍以上に増大しています。65歳以上の男性の1割、女性の2割がひとり暮らしをしている計算になります。そして、人口推計では、今後も65歳以上のひとり暮らしの高齢者の数はさらに増えていくと予測されています。

独居老人数のグラフ
独居老人数(厚生労働省「平成25年版高齢社会白書」より)


このような高齢化の進展にともなって、全国各地で様々な問題が発生しています。医療や介護のニーズはどんどん高まっていく一方で、少子高齢化によって働く世代の人々が減少し、医療や介護がお金の面でも担い手の面でもその維持が難しくなっています。また、地方では過疎高齢化によって地域力自体が失われてしまう危機に直面しています。都市部でも農村部でも、経済構造の変化によって商店が消え、地域にあったよろず屋が閉店し、車がないために買い物に出かけることができずに「買い物難民」となったお年寄りが増えています。

そして、地域で大きな問題になっているのは、孤立死です。近所つきあいも無くひとり暮らしをしている高齢者が病気等で亡くなってしまい、亡くなったことに誰も気づかずに、1週間も2週間も過ぎてしまう孤立死が、今、全国各地で問題になっています。この孤立死は「コミュニティの助け合いの力が弱まっている」という地域の問題であり、また人間の尊厳の関わる問題でもあります。 

私たちは今、地域とお年寄りの問題について、高齢者を支える社会の仕組みから考え直さなければならないと考えています。

人感センサーによってお年寄りを支える仕組み


実は高齢者の多くは、今は介護を必要としていない、いわゆる「元気老人」です。そして元気老人が心身ともに元気に生活し続けていることを確認しながら、もし何かあったときには周囲が必要な支援を行うのが、見守りの基本的な考え方です。地方自治体や民生委員、あるいは地域のコミュニティの役員らが、ひとり暮らしの高齢者宅を訪問して安否確認を行うという見守り活動は、全国各地で行われています。しかしながら、高齢者宅に頻繁に通い、安否を確認することは、確認する側にとっても確認される側にとっても大きな負担となっています。そこで登場するのが、人感センサーによる見守りのシステムです。 

人感センサーを活用した見守りシステムの紹介はここをクリック 

ここで重要なことは、人感センサーだけでは見守りはできないことです。確かに人感センサーによって高齢者に異常があったことを知ることができます。しかし、「どのような異常があったのか」を確認するのは人であり、また駆けつけて支援するのも人です。見守りを行うためには、それを支える人が必要であり、そういう人が集まった組織が必要となります。システムは、見守り活動を行う人々に求められる大変な労力の一部をセンサーが肩代わりすることによって、見守る側の負担を減らし、持続可能な見守り活動を続けていくための手段のひとつです。 

元気なお年寄り


人感センサーによって、ひとり暮らしの高齢者に異常があったかもしれないことは知ることができます。しかし、本当に必要なことは、高齢者が元気に生活し続けることであって、センサーが異常を知らせるようなことは、本当はない方がよいのです。そのためには、高齢者が健康を維持し、地域コミュニティ内での交流を持つことが求められています。元気なお年寄りが多い地域は、実はお年寄りが元気に活動し、交流を持っています。 

そのようなお年寄りが元気な地域は、国からも注目されています。「葉っぱビジネス」で有名な徳島県上勝町では、高齢化率は52.4%(2010年国勢調査)ながら、寝たきりのお年寄りは上勝町には1人もいないといわれています。その理由は、町内の多くのお年寄りが葉っぱビジネスに参加、売り上げを競い合っているからで、葉っぱビジネスによって住民の所得も増えています。新潟県見附市では健康診断の結果を含むお年寄りの健康管理の様々な情報をデータベース化して運動を推奨などの健康指導を実施した結果、1人あたりの医療費を年間で10万円近く減少させています。

見附市データ
見附市における医療費の変化(総務省「ICT超高齢化社会構想会議報告書(概要)」より)
 

本当に必要なのは地域の活動


以上の各地の先進例は、いずれもお年寄りの方々が頭と体を動かして地域で活動していることでは共通しています。お年寄りが頭と体を使って動いていくことが、お年寄りの元気、地域の元気、高齢者医療費や介護費支出の減少をもたらしました。

見守りセンサーシステムの導入は、そのためのひとつのきっかけになります。センサーを導入して安心するのではなく、1軒1軒訪問する時間が節約できた分の労力を、より多様でより楽しい地域の活動にエネルギーを注ぎ込むことで、センサーにお世話にならないで済む暮らしを地域全体で作っていくことが重要です。もちろん、人の目だけでは大変な労力を必要とする見守り活動の負担を軽減するためには、センサーのシステムは非常に有効です。

私たちの会社は、センサーというシステムを利用すると同時に、人と人が顔を合わせてお互いに安否を確認しあう、そんな見守りを広げていきたい、それを通じて地域とそこに住むお年寄りを元気にしていきたいと考えています。より安価で使いやすいセンサーシステムを提供すると同時に、地域の見守り活動やお年寄りの活動とのベストミックスを一緒に考え支援することによって、地域の元気を取り戻していくお手伝いができる企業を目指していきます。

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